北海道から沖縄まで、屋外で園芸を楽しむうえで台風との付き合いは避けられません。よく外にある鉢を屋内に取り込むことが対策として紹介されますが、実際にそこまで出来る家庭は少ないでしょう。あったとしても結構手間と労力を要します。今回は「万全ではない」もののなるべく手間をかけずに出来る「そこそこの台風対策」をご紹介します。
背丈があるもの、大きなものは最初から倒しておく
どうせ風で倒れてしまうなら最初から倒しておきましょう。1日2日倒しておいても大抵の植物は大丈夫です。鉢の土も案外流れないものです。転がらない対策だけやっておき、台風が通り過ぎるまで放置します。台風が通り過ぎてもしばらくは吹き返しの風があるので、元に戻すのは風が収まったあとにしましょう。
壁際、角に置く
風で飛ばされそうなものは遮られるものがある場所に移動しましょう。出来れば2方向以上壁があるところが望ましいですが、そこまで壁がない場合少しでも風を遮られる、吹き荒れないところに寄せましょう。周りが何もない吹きさらしの場所に置いておくよりかはマシです。
小さくて軽いものは固めて置く
庭のあちこちに置いてあると風で飛ばされて後で拾い集めるのが大変です。ある程度場所を決めて集めて固めて置きます。個々は軽いので集めて植物そのものを自ら壁や遮蔽物として形成し固まりを作りましょう。
高い台に置いてあるものは低い地面に降ろす
地面から離れた台に置いてあるものはとりあえず地面に降ろして少しでも飛んでいかないようにします。地面に降ろしておけば少なくとも落下は無いので破損や飛散も少なくなります。さらに先に紹介した、角に置いたり集めて固めたりの対策が取れればベストですがそこまで出来ない場合はとりあえず高いところから降ろしましょう。
グリーンカーテンのタイプは取り外せるようにしておく
最初に仕立てるときの話になってしまいますが、ゴーヤなどツル性の植物でグリーンカーテンを作っている方は取り外しできるように仕立てましょう。ネットが風で煽られて家屋が壊されないためです。外した状態で動かせないものはそのままに地面に置いておきます。横長のプランター形状で人の手で動かすのが大変なくらい重量があれば空中を飛んでいく可能性は低いでしょう。逆に動かせるくらい軽いものは遮蔽物の陰に移動しましょう。
整理する
台風の襲来を期に自分のガーデニングプランと相談して思い切って処分・整理するのも手です。台風は6月に来ることも10月に来ることもありますが、先のシーズンを見据えて見直す良い機会と捉えましょう。
浸水対策
大雨で水が溜まるとプラスチック類はプカプカ浮いてしまいます。風で飛ばされるだけでなく流されてどこかにいってしまうものが庭にないか、予め見回して確認しましょう。また台風が通り過ぎた後、ずっと水が浸っているところに鉢が置いてあると根腐れの原因にもなります。水はけの良くない場所に置いてある鉢は水が引くまで避難させるかレンガやブロックなどを置いてその上に載せるなど水が浸ったままにならないようにしましょう。
塩害と風による被害について
潮風による塩害は植物を枯らすため出来るだけ避けたいものです。全てにおいて対策が出来ないときは「これだけは守りたい」ものを選んで風の直撃を防ぐ対策をしましょう。
また10月に完全に茎が折れた皇帝ダリアが回復して12月に咲いたこともあり、台風の被害を受けた後も諦めずに楽しめるものもあります。よく観察して経過を見守るのもよいでしょう。
今回は「万全ではないもののそこそこの台風対策」として、少しでも参考にしていただけたらと思います。