突然ですが、日本で流通している観葉植物を生物学的な分類で分類すると、サンセベリア属やドラセナ属ユッカ属、アガベ属などのリュウゼツラン科(キジカクシ科)、モンステラ属、ポトスなどのエピピレヌム属、ディフェンバキア属、などのサトイモ科、シフレア属やヘデラ属、ポリシャス属などのウコギ科とチャメドレア属やフェニックス属、ラピス(観棕竹)属などのヤシ科、ベンジャミンやエラスティカなどフィカス属のクワ科、以上の5つのファミリーに属す物が大半を占める。シダ植物も多くの種が観葉植物として流通しているがこの分類で言えば、チャセンシダ科やウラボシ科、シシガシラ科、ワラビ科などに多様ファミリーに分類されてしまう。
さて、タイはご存知の通り、熱帯モンスーン属す。一言で言えば蒸し暑い気候で、まさに多くの植物の生育には適した気候と言える。その為、先に上げた主要5科のウコギ科を除いてほぼすべてのファミリーにおいて豊富な種を育種、育成を行っている。(残念ながらウコギ科の植物の多くは30度以上の高温を好まない種が多い)
その中からヤシ科の斑入り品種を今回は紹介いたします。
斑入り植物は突然変異の色素欠乏で出現する、通常の実生繁殖では、1万分1程度の出現率でいわゆる斑入り植物が生まれる、もちろん、これらのアルビノ種を栄養繁殖で増殖し、ある程度固定した個体が、斑入り植物として、流通する。これらは変異種なので通常のアルビノ種は劣勢遺伝子で栄養繁殖(挿し木や取り木)でない限り、遺伝しない。(メリクロン繁殖も栄養繁殖にの手法)
しかし、ヤシ科植物のほとんどは実生増殖でのみ繁殖させている。したがって、本来アルビノが子孫に遺伝する確率は極めて低くなるはずである。しかし、マニラヤシ、ビンローヤシなど種によっては、アルビノ種の種子からアルビノ種が出現する確率が高いらしい。
Cyrtostachys lakka variegata ヒメショウジョウヤシの斑入り
Veitchia merrillii variegata(マニラヤシ斑入り)の種取り用の木と下はその実生から出現した個体。
Caryota urens Variegate 斑入りクジャクヤシ。
他にも白斑のクジャクヤシがあり、出現率も高い。
Areca catechu variegate ビンロウヤシ斑入り
ヤシ類の多くの種類は植え替えに弱い。日本これらの物を輸入するには一度土を洗い落として、輸入出来るコンポスト(ココナッツファイバーなど)に移植し輸入する必要があるため、輸入が難しい品目の一つである。