ユリには様々な園芸品種があり、最近では栽培キットなどもあり自宅でも比較的育てやすい花です。品種もたくさんで香りがとても良い『ユリの育て方』を紹介します。
★目次★
1.ユリの基本情報
2.ユリの特徴
3.ユリの栽培環境
4.水やり
5.肥料
6.病害虫
7.用土
8.植え付け、植え替え
9.作業
1.ユリの基本情報
学名:Likium
科名:ユリ科
属名:ユリ属
園芸分類:球根
形態:多年草
原産地:北半球の温帯地域
耐寒性:強い
耐暑性:普通
草丈/樹高:50㎝〜200㎝
2.ユリの特徴
開花期や花の形も様々で多くの園芸品種があります。庭植え、鉢植え、切り花などユリ根を食用にしたり楽しみ方もたくさんです。交配して作られた品種には、大きく分けて「オリエンタル系」と「スカシユリ系」の2つの系統があります。その他にも「テッポウユリ系」や「ササユリ」、「ヒメサユリ」などの野生種がよく栽培されており、晩夏に咲く「タカサゴユリ」は台湾原産ですが、日本の道端などで繁殖しているのをよく見かけます。
3.ユリの栽培環境
「テッポウユリ系」や「スカシユリ系」、その他「ヒメユリ」など葉の細いユリは日当たりを好み、「オリエンタル系」や「ヒメサユ」などはの広いユリは明るい半日陰を好みます。土の温度が高くなるのを嫌うため、梅雨明け以降は強い直射日光が当たらない場所などできるだけ涼しい場所で育てましょう。
水はけは良くしていた方がいいので、排水の悪い庭では盛り土をしてあげましょう。鉢植えであれば梅雨などの長雨に当てないよう鉢を移動させる必要があります。
球根は外皮で覆われていないため乾燥に弱く、市販される球根はピートモスやおがくずなどに包まれています。球根の下から根がよく伸びているものが良い球根で、乾燥してしなびている球根は選ばないようにしましょう。購入後は球根を乾燥させないようにできるだけ早く植え付けましょう。
4.水やり
球根植え付け時に水やりをした後は、庭植えの場合は雨に任せますが鉢植えの場合は土の表面がよく乾いてからたっぷりと水を与えます。花が咲いた後も葉が枯れるまでは、土が乾かないように水やりを続けましょう。
5.肥料
庭植えの場合は、緩効性化成肥料を1㎡あたり100g、鉢植えの場合は、緩効性化成肥料を用土に元肥として施します。生育期間中は、2週間に1回程度液体肥料を施しましょう。
6.病害虫
病気:球根腐敗病
乾腐病とも呼ばれ、球根腐敗病になった球根を植えると生長した葉が淡緑色になり、その後株が枯れてしまいます。球根を消毒してから植え付けるのが大切です。
病気:青かび病
球根に黄褐色の斑点ができ、病気が進むと腐敗し青かびが生じます。植え付けてしまえば腐敗はあまり進行しないため、青かびの発症前ならそのまま植え付けても、普通に育てることができます。
病気:立ち枯れ病
初期症状は、葉枯病とほぼ同じで急激に葉が枯れだし、あっという間に枯れていってしまいます。連作障害の一つなので連作を避けましょう。
害虫
ワタアブラムシ
7.用土
鉢植えの場合、水はけがよく過度な保水性のある土がいいでしょう。ユリの種類によって、砂質土壌と腐植質を多く含んだ粘土質の土を調合します。特に、球根が腐りやすい野生種などを植える場合は、鹿沼土や桐生砂を多めに混ぜましょう。園芸品種の球根の場合は、市販の用土でも育ちます。
8.植え付け、植え替え
植え付け
10月〜11月にかけて行いましょう。庭植えの場合は、土を深さ30㎝以上よく耕し球根の大きさの2倍ほどの深さに植え付けます。鉢植えの場合は、球根の直径の約3倍の直径で深さのある鉢に鉢底石を多めにしき、球根1個分の深さに植え付けます。
植え替え
庭植えの場合は、植え替えは不要です。鉢植えの場合は毎年植え替えを行いましょう。
9.作業
花がら摘み
咲き終わった花を摘み、葉は残しましょう。